一般社団法人日本開発工学会

会長挨拶

2015年6月1日
般社団法人日本開発工学会 会長 大江 修造

2015年5月28日に開催されました一般社団法人日本開発工学会の理事会・総会におきまして会長に選出されました。ビジネスの創造に関するすべての事柄を研究する学会として開発工学分野において指導的役割を果たしてきました日本開発工学会の会長に選ばれたことを大変光栄に存じています。理事をはじめとする役員と会員の皆様と共に日本での、そして国の内外での開発工学の発展に寄与・貢献できればと思います。

最近のノーベル賞受賞者数はアジアの他国の追随を許さないものがありますが、日本人の3人がLED技術の発明でノーベル賞を受賞したにも関わらず、日本は、その主要な生産国ではありません。あるいはまた、最近、話題になっているドローンも、ご承知の通り、他国が主要な生産国であります。日本のお家芸と言われた、家電におきましても同様です。グローバルな競争のさまざま分野で後塵を拝しています。
このような状況の中で日本開発工学会は、社会的使命として「技術と社会の調和」と「理論と実務との橋渡し」をめざし、技術経営(MOT:Management of Technology)の研究に、30年に亘り取り組んできた伝統ある学会です。「開発」につき英知を結集して、日本の進むべき道を明示すべき役割を負っていると考えます。
会員各位の実務に役立つ英知を創生する仕組みと機会を、更なる努力により実現致します。

就任にあたって以下の施策に取り組んでいきます。

(1)査読論文の掲載を増やす

学会の評価の基本に、質の高い査読論文を学会誌で発表できたかにあります。具現化にあたり「研究開発、技術開発、製品開発、商品開発などを総合的なビジネスの創造につなげるため、市場と組織との効率的な関係を探求する」学会の社会的使命を果すため、会員各位が実践で学んだことを研究し、意見交流することで、現場で役立つ学問にすることに取り組みます。
日本は世界のモノづくりやコトづくりをリードしてきました。ここにきて日本の現場力が見直されています。企業の中に閉じこもることなく、学会での会員間のヨコの情報交流を通じて日本型技術経営の長所を形式知化し、論文により国内外に問う事で企業のグローバル化に貢献できると考えます。

(2)研究会活動の活性化に取り組む

現在学会には、エンジニアリング・ブランド研究会、コーディネート経営研究会、ビジネス・イノベーション研究会、知的財産マネジメン研究会の4つの研究会があります。昨年度から3D技術でモノづくりが変わるとの予測で、国際的なイノベーション動向を調査し、情報交換の場を設けました。
「なぜ日本では技術ベンチャーが育たないのか」という疑問に答えるために、本年度から「技術ベンチャー叢成ワークショップ」をスタートさせます。
何もしなくてもイノベーションが起きるといわれるほど、大きな変革が起きています。変革期の開発工学のテーマは、「企業のグローバル化への対応」「介護・福祉・高齢化社会のビジネス」「日本型経営の欠点を知り、長所を生かす」等、新たな研究テーマが満載です。具体的な取り組みを検討致します。

(3)広い視野と情報を入手することでグローバル化に対応する

イノベーションと言われるような大変革の流れに取り残されないように「タテからヨコへ、新ビジネスデザインの探究」を学会の基本コンセプトに致します。企業の中で変革を作り出すには、企業の中(タテ社会)で研究するだけではなく企業の中から出て学会交流(ヨコ社会)に参加することで、自ら新しい情報に触れることが必要です。
グローバル化に対応するには、日本のマネージャークラスの意識改革が必要です。変革の情報は社外のビジネスの現場にあります。日本の経営者などの意識改革にも取り組みます。

会員各位のご協力・ご支援のもとで、日本開発工学会を着実に進歩・発展させていきたいと存じます。 どうぞ、よろしく、お願い致します。

略歴: 大江 修造 工学博士
1962年 東京理科大理学部卒業、石川島播磨重工業(株)(現IHI)入社
1971年 工学博士(東京都立大学大学院 論文博士)
1980年 東海大学工学部助教授
1982年 東海大学工学部教授
1991年 東京理科大学工学部教授
2008年 東京理科大学理学部教授

研究分野:化学工学 蒸留工学分野

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